福島のロボットオペレータのブログが削除され, IEEEが英訳復活
【抄訳】〔長い記事で、筆者(Coldewey)の意見感想の部分が多いので、抄訳とします。〕
S.H.という署名の匿名ブロガーが、福島におけるロボットを使った災害対策作業の、日々の詳細な記述を投稿していた。そのブログには、技術的な詳細と個人的な感想などが含まれていたが、国家機密に属するような情報はない。しかし7月の初めに、ブログの更新は途絶え、その後完全に削除された。S.H.がYouTubeにアップロードしていたビデオは、非公開にされた。この遮断措置の経緯は分からないが、作業現場の状況の詳細な公開を好まなかった上司がS.H.に命じて取り下げさせたことは、ありえるだろう。
誰にも気づかれずにインターネットから何かを消すことは、一般的にはできないが、今回のブログには、今行われている原子炉封じ込め努力に関連した、興味深くタイムリーな情報がたくさんある。だからそれが消えたとき、IEEE Spectrumは、自らの責任でそのブログのキャッシュされていたバージョンを保存し、それだけでなく、その内容を英訳して公開した。それは、インターネット上のメディアが強靱であることを示す強力なデモンステレーションであり、またそれ自身に、読み物としての価値もある。
ブログは、作業の技術的な記述と、ふつうの人間的な側面の記述が入り交じっている。その感じをお伝えするために、すこし引用してみよう(スペースの節約のためにぼくが書式化した):
【中略】
〔この記事の最後に、ミラーサイト等のリンクがあります。〕
このIEEEの英語版を読んだ、ブログの筆者の同僚(彼と同じロボットを使って作業をしていた)が、省略された不完全な翻訳ではあるが、とても役に立った、とコメントしている。とくに問題になるような情報は何一つないと思われるから、とりあえずこれは、せめて筆者の職場においてだけでも、共有されるべきではなかったか。また、一般に公開しても、どこかに実害が及ぶとは考えられない。
画像やビデオも、再掲されている:
【中略】
このようにしてインターネットは、貴重な史料としても保存されていく。たとえば、あの、キッチュの宝庫とも言えるGeocitiesは、ボランティア努力により、史料としてほぼ完全に保存されている〔Yahoo Japanのジオシティーズは存続しているが〕。S.H.のブログのようなまじめなコンテンツも、同じ扱いを受けるべきではないか。Wikileaksがリリースしている機密情報を、完全に消すことは誰にもできない。
【中略】
IEEEによる英訳再掲はここ、日本語原文の(一部の)ミラーがここ、そしてGoogleによるキャッシュも、一部はまだ無事だ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))