ミログがAndroidアプリ開発者向けにアプリ分析のSDKを提供。medibaと提携でターゲティング広告も
どのAndroidアプリを友人がインストールしているか互いに情報をシェアするアプリ、FriendAppを開発するミログについては以前に紹介している。FriendAppをインストールするとFriendAppはAndroid端末にインストールされているアプリの情報やアプリの起動回数などのデータを集めてくるようになっているのだが、これはFriendApp自体が広がらないと、収集できる端末の数が増えない。
なので、ミログは本日このデータ収集機能を持つAppLogのソフトウェア開発キットを、Androidアプリの開発者向けに公開した。このAppLog SDKが入ったアプリを開発してそれがユーザーにインストールされると、ミログがユーザー数に応じてアプリ開発者に報酬を支払うというインセンティブを提供している。AppLog SDKは先行していくつかのアプリ開発者に提供されていて、すでに数十万のAndroid端末から情報を得ることができているのだそうだ。
報酬額は1端末のインストールにつき1カ月1円で、情報が送られる限り毎月支払われる。ただし、applogSDKを含むアプリが複数同じ端末にインストールされている場合は、最初にインストールされたアプリに報酬が支払われるようになっていて、重複して複数のアプリ開発者に報酬が支払われることはない。
それなりにボリュームを持つAndroidアプリを開発する開発者にとっては、収益として莫大とはいえないが、個人開発者などにとっては広告だけではない新たな収益にはなるだろう。アプリがインストールされて端末がネットワークに繋がってさえいれば、毎月報酬が得られるのは悪くはない話である。また、あわせてミログが提供するアプリケーションの分析情報なども入手できるのだという。
そして、もう1つ、ミログはKDDI関連のmedibaとの提携も発表した。これはAppLogで得られた情報を使ったオーディエンスターゲティングの広告を始めるというものだ。ミログはすでにAppRewardという自社のAndroidアプリのリワード広告配信事業を行っているが、これとは別にmedibaのスマートフォン向けのアドネットワークにミログのAppLogのAndoridアプリ分析情報を組み合わせて、端末にインストールされている情報に応じた広告を配信できるようにするというものだ。現在テスト配信をしていて2012年の春から本配信を予定しているという。
これが実現すると、たとえば、GREEのアプリがインストールされていて、mobageのアプリがインストールされていないAndorid端末向けに、mobageのアプリの広告を表示させる、なんていうことが可能となる。
今後、ミログのAppLog SDK相当のものを同梱した広告表示のためのSDKがmedibaから広告配信のアプリ開発者向けに提供されていくことになる。ミログのこのアプリ分析技術を使えばより有効な広告の表示方法が提供できるのかもしれない。単純にインストールされているアプリだけでなく、起動回数なども収集しているので、頻繁にあるアプリを使う人に向けた広告を配信するといった、さまざまなオプションが考えられなくもない。
ただ、ユーザーにとってはそれが心地良く感じない人もいるかもしれない。そのため、端末の情報が送信されないようにユーザーがオプトアウトできるようにもしているという。
スマートフォン向けのこういったプラットフォーム技術はまだまだ新しい動きがありそうな分野ではある