iTunesやSpotifyで曲を聴くと歌詞が同期表示されるmusiXmatch, モバイルからデスクトップ(Mac OSX)に進出
ぼくは曲の歌詞をおぼえるのが苦手で、しょっちゅうGoogleに頼る…見つからないことも多い。でも、ぼくの同類は世の中に多いらしく、“lyrics”はGoogleでもっとも頻度の高い検索語の一つだ。そのほかの検索は簡単に終わることが多いが、しかし歌詞の検索は、むしろがっかりすることのほうが多い。歌詞のサイトはとってもたくさんあるが、その多くが非公式なサイトで、歌詞を公開する正しい権利を持っていないし、マルウェアを隠し持ってることもある。
2010年に創業したmusiXmatchは、こういった問題を解決するために、歌詞の合法的なデータベースをWeb上に築こうとしている。歌詞の、IMDBになろう、というわけだ。今このサイトが集めている曲は550万以上(18か国語)で、権利をめぐって国際的な合法性を有するデータベースを作るだけでなく、音楽を利用する各種のサービスのために、歌詞アクセスのためのAPIも開発中だ。すごいね。
今日(米国時間9/20)そのmusiXmatchが、Mac OSX用の“musiXmatch Lyrics App”をロンチし、App Storeから5ドルで提供する。このデスクトップアプリを使うと、今ユーザがiTunesやSpotifyで聞いている曲の歌詞が、フルスクリーンで表示されるのだ。
できたてほやほやのアプリなので機能はまだ充実していないが、同社によると今後は、歌詞をアーチスト名、曲名、キーワードなどで検索したり、各アーチストのディスコグラフを調べたりもできるようになる。それらの情報をソーシャルネットワーク上で共有することも可能だ。自分の曲のid3タグに歌詞を埋め込むという、クールな機能も近く提供される。
iTunesやSpotifyのユーザ(ぼくもその一人)にとっては、musiXmatchは音楽を聴く経験をより豊かにしてくれる(自動的にユーザの持ち曲に合わせた動作をするから)。曲を自動的にオープンするだけでなく、両プラットホームの”ラジオ”機能とも同期する。歌詞をFacebookやTwitterで共有したり、Growlの通知を受け取ることもできる(Lion上でもOK)。
musiXmatchは今日、musiXmatch Lyrics Appのロンチの発表と合わせて、これまでのモバイルアプリケーション(iOS、Android、Symbian、Windows Mobile)のダウンロード数が100万を突破したことを発表した。その半数は、アプリを毎日使っているそうだ。
musiXmatchは、モバイルアプリだけのころでも、自分の音楽ライブラリの曲の歌詞を簡単に見つけられるすばらしいソリューションだったが、デスクトップアプリが加わり、APIも提供されることによって、そのほかのサービス(各種ストリーミングサービス、ビデオ、タブレットアプリ、OEMメーカーなどなど)にとっても魅力を増した。すでにBMG、Kobalt、Universal Music Publishing Group、Sony ATV Musicなどと提携しているので、同社はビジネスとしてもプラットホームとしても、今後がますますおもしろい。
ただし、競合他社としては、最強のTuneWikiがいる。新人のmusiXmatchに対して資金潤沢なTuneWikiは、歌詞中心のソーシャルミュージックプレーヤーでモバイルの世界を支配してきた。musiXmatchは、ヨーロッパから登場した対抗馬、といったところ(イタリアとイギリスに主要事業所あり)。今後はどんな、シェア争いが二社間に起きるだろうか。
あなたはどっちを選ぶかな? それとも両方? とりあえず試してみて。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))