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Googleとイスラエル博物館(IMJ)が、デジタル版「死海文書」のオンライン公開を発表しました。「デジタル死海文書」は、ユダヤ・キリスト教関連の貴重な考古学的資料として著名な死海文書 (dead sea scrolls) を高解像度カメラでスキャンし、誰でもアクセスできる形でオンライン公開するプロジェクト。イスラエル考古学庁(IAA)とGoogle イスラエルR&Dセンターの協力で進められ、Googleはウェブインターフェースの設計やホスティングを担当しています。(詳しくは昨年の発表記事
「Google、死海文書の全文をオンライン公開へ」を参照)。
今回公開されたのは死海文書のうち5つの写本。1200メガピクセルの高解像度カメラで撮影された画像は皮紙の質感まで拡大できます。また写本の内容はインデックス化されており、デジタル化された一般の書籍とおなじく普通のGoogle検索に引っかかります。さらに写本のひとつGreat Isaiah Scrolls (イザヤ全書)については、写本の画像を直接ポイントして英文対訳を参照することも可能。
死海文書といえば、約2000年間保存されていた資料が20世紀になって偶然見つかった話題性や考古学的価値もさることながら、一部の公開が遅れたことから「権威をひっくり返す記述を恐れて隠蔽しているに違いない」との陰謀論を呼び、果ては小説やゲームといったフィクションの世界でも「禁断の書」的な雰囲気作りの小道具としておなじみです(この節
使い回し)。
現実には地道な研究対象として以前から公開されており、翻訳も刊行されていますが、今回のデジタル版はインターネット接続があれば誰でも高解像度画像や全文にアクセスできること、経年劣化の激しい現物へのダメージを抑えることなどが意義です。Googleは死海文書のほか広く歴史的資料のデジタルアーカイブ化を進めており、各国の研究機関や博物館などに参加を募っています(
登録フォームはこちら)。続きはGoogleによる「死海文書オンライン」紹介動画。なんとなくオンラインゲームのような響きです。
[via
Google]
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